Inertial tail effects during righting of squirrels in unexpected falls: from behavior to robotics

概要

樹上性哺乳類は、非常に立体的で不連続な生息環境を移動する。樹上性哺乳類の中でも、リスは驚くべき敏捷性を発揮する。最近YouTubeで話題になったビデオでは、無防備なリスがカタパルトで放出され、最初は制御不能な体の回転を引き起こした。興味深いことに、リスは尾の動きで巧みに体を安定させ、最終的に着地に成功した。本論文では、リスが大きな体の角速度から回復するメカニズムを分析する。映像から、リスはまず尾を使って頭を安定させ、着地点を視覚的に固定するのに役立っていることを発見した。その後、尾を回転させて体を安定させ、着地の準備をする。この空中での尻尾使用のメカニズムをさらに分析するため、私たちはリスのマルチボディモデルを作り、体の慣性モーメントの変化と軸間の能動的角運動量移動に基づく空中での立ち直り戦略を示した。この仮説を検証するために、リス型ロボットを作成し、落下安定化実験を行った。その結果、リスの長い尻尾は、体質量のわずか3%であるにもかかわらず、急速に回転する体を慣性的に安定させることができることが実証された。本研究は、樹木のような複雑な環境で生活する動物において、長い尾が空中立ち直りメカニズムに重要であることへの理解を深めることに貢献するものである。

収録
Integrative and Comparative Biology
福島 俊彦
福島 俊彦
博士研究員

ソフトアクチュエーターと生物規範ロボットの研究

関連項目